歯磨きしてもむし歯は防げない!?むし歯予防の真実
今回はむし歯についてお話をしていきます。
歯磨きを頑張っているのでむし歯ができてしまう。
そんな悩みを抱えていないでしょうか。
「むし歯は歯みがきで防ぐもの」──多くの人がそう信じています。
けれど、むし歯ができる本当の仕組みはもう少し違います。
ポイントは、歯が“溶ける時間”と“元に戻ろうとする時間”の綱引き。
食べ物や飲み物に含まれる糖が口に入ると、口内の細菌が酸をつくり、歯の表面は酸性に傾きます。
このとき歯は少しずつ溶け(脱灰)、その後、唾液の働きで中性に戻ると、溶けた成分が歯へ押し戻されて修復が進みます(再石灰化)。
問題は、この修復には時間がかかるのに次の糖がすぐ入ってくるとリセットされ、溶ける側が圧倒的に有利になってしまうこと。
これが“むし歯ができ続ける”正体です。
では、何を変えればいいのか。
結論は「回数」を整えること。
食事や間食、糖を含む飲み物の“口に入る回数”を減らし、できれば食事と食事のあいだを2時間以上あける。
おやつをとるなら、食事と食事のちょうど中間にまとめる。
これだけで再石灰化に必要な時間が確保され、むし歯のリスクは目に見えて下がります。
量の大小より、口の中に糖が“入った回数”が決定打になる、という発想の転換が大切です。
唾液の量や質も味方になります。
よく噛んで食べる、こまめに水分をとる、寝る直前の糖分を避ける──こうした習慣は唾液を増やし、中和と修復を助けます。
反対に、ダラダラ食べ・砂糖たっぷりのお菓子・寝る前のアイスや甘い飲み物・飴やタブレットを長時間口に含む、といった行動は“常時脱灰モード”を招きます。
歯にとっては台風が次々にやってくるようなもの。
修理が終わる前に次の台風が来れば、家が壊れるのは時間の問題です。
では歯みがきは無意味なのか?
もちろんそんなことはありません。
歯みがきは主に歯周病予防や口の清潔に大きな役割を持ちます。
ただし、むし歯予防においては“食事回数のコントロール”のほうが中心選手。
1日3回歯磨きをしっかり頑張っていても、食事の回数が多い方、脱灰の時間が長い方は虫歯になってしまいます。
逆に、歯磨きを1日1回しかしない人でも、決まった時間に食事を摂り、食事回数をコントロールし再石灰化の時間が長い方はむし歯になりにくいのです。
砂糖は特に注意が必要です。
細菌が酸をつくりやすく、中毒性も高い。
甘いお菓子や砂糖入りの飲み物は「少量ならノーカウント」と考えがちですが、口に入った時点で1回。
どうしても食べたい日は、時間を決めて1日1回にまとめる。この“まとめ方”が勝敗を分けます。
大事なのは、“努力の方向”をそろえること。
歯みがきを頑張っているのにむし歯が減らない人は、回数のコントロールが置き去りになっているケースがほとんどです。
食事を整える、間食を見直す、水分をとる、よく噛む、寝る前の糖をやめる──どれも今日からできる小さな一歩。
習慣が変われば、むし歯はちゃんと減っていきます。最高の治療は「治療しなくて済むこと」。
歯を守る主導権は、いつでも自分の手の中にあります。
甘いものは私自身も大好きで食べたくなってしまいます、、、、
これも砂糖の中毒性ですよね。
でも食べてはいけないということではないです。
リスクと対処方法、コントロールをしてしっかりケアができれば美味しいケーキや大好きなものをいつまでも食べることができます。
それも幸せにつながることなので人生には必要なことです。
ただ今はやめておこうとか、明日のこの時間に食べようとか少しの変化をすることができるとより良い口腔内につながり、さらにより良い人生に繋がっていくと思います。
歯を失わずに一生付き合っていけるかどうかは、日々の小さな習慣で大きく変わります。
治療を繰り返す未来ではなく、予防によって自分の歯を守る未来を選びたいものですね。
私たちのクリニックがある北九州・小倉南区でも、同じように「むし歯にならない暮らし」を願う方はたくさんいらっしゃいます。
地域のみなさまの健康を守るために、これからも分かりやすい情報を発信していきますので、ぜひ日常に取り入れてみてください。
北九州市小倉南区徳力3−10−17
医療法人 中道歯科医院
理事長 島崎陽三